ザ・怪奇ブログ

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水面の彼方に 31話

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         31  丘の秘密と三つの事件


 完全に闇に包まれた緑川町を、足早に進む影があった。もちろん博士たちだが、
目的地の丘へは全員では向かわず僅か数名のみで、という事になったのである。

 それには理由があったが、ここでも異議を唱えたのは刑事の涼子だった。かつて
丘のあった食品加工会社へ向かっているのは博士に秘書、それに光と道案内の中華
飯店の親父たちだけである。

 夜になったとはいえ、相変わらず街の中には人の気配はまるでない。


「…ねえ、どうして私らだけで行くことにしたの?」

 光が辺りを見回しながら博士に小声で話かける。
丘のあった食品加工会社までは緩やかな坂道が続いていて、どんどん町の中心から
離れてゆく。家の明かりらしきものはほとんど無いと言ってもよかった。元々この
辺りは原っぱしかなかったらしく、子供たちの遊び場となっていたそうである。


「理由は簡単さ。例の茶封筒が届いたのが私たちと光さんのところだからさ。彼女
…たぶん送り主の彼女にとって、用事があるのは我々だけだからだよ。いや、もし
かすると、朝方に街の入口で別れたおかっぱの彼女もそうかも知れないな。」

「別れた彼女って…智佳子さん?あの子にも、茶封筒が届いたの?」

 秘書は昨夜出会った、おかっぱ頭の智佳子を随分気に入ったようで、目を輝かせ
ながら博士に聞いた。

「そう。彼女はさっき会議で話した、この街で起きた事件に何か関わりがあるに違
いないからさ。昨日トンネルの中で出会ったのは偶然ではないはずだよ。」
「…例の石油採掘所の事件ね?今度の一件って…この街の事件が全ての原因なのか
しら?」

 光の疑問に博士は足を止め、腕を組んで考えを巡らせる。

「確かに、この街に何かの原因があるのは間違いなさそうだけど…我々が呼ばれた
のはそれだけじゃない気がするんだよ。もっと別な、何か大きな事が関わっている
んじゃないかと思うんだ。」


 しばらくすると前方に大きな建物が見えてきた。
数年前まで丘があった場所といわれる食品加工会社であるが、現在工場が建てられ
てから三年近く経過していた。

 博士はこの街へ来る前、この食品加工会社について詳しく調べてきている。
それは実に奇妙な会社だった。

 いくら調べてみても、一体何を作っているのか?何を販売しているのかもよく
分からないのである。ただ、この会社の出資者の一人を、博士は偶然知っていたの
だ。

 

 

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 坂槙正三…世界的にも有名な日本の財閥の一つ、坂槙グループを率いる若き企業
家である。来るべき未来のエネルギー産業を担う、日本の若きホープと言われてい
る大物だ。が、それは表向きの顔で、彼には軍事産業という裏の顔も持ち合わせて
いるのである。その莫大な収入の多くは戦争や紛争によるところが多く、人は彼を
「戦争屋」と呼ぶ者もいるという。

 この謎の食品加工会社に彼の名前を見つけた博士は、今回の一連の事件は彼が
関わるものではないかと推測したのである。であるならば、軍隊まがいの連中が敵
に存在することも頷けるのだ。


「こっから先は全部、山の中もこの会社の所有地になってるんだ。問題の麓にある
穴はこの先の立ち入り禁止区域の奥にある。これは地元の人間、特に俺たちのよう
な変わり者じゃなきゃ知らない場所なんだ。昔はよくこういう大人が行っちゃだめ
だという場所で遊んだものさ。」
「案内できるかい?」
「もちろんさ!そのために来たんだからな。」


 中華屋の親父と禿げ頭のスタジャン男は、食品加工会社の裏手に回り込むように
足早に歩き出す。工場の裏手は山の麓になっていて、その先は神楽山へと続いてい
る。

「…ねえ、工場に侵入するんじゃないの?」

 彼ら二人の後について歩く博士と秘書に、光が囁くようにつぶやく。

「いや、この工場自体はおそらくダミーのために建造されたものに違いない。何の
意味も無いと思う。問題なのは、この地下にあるという昔の石油採掘場だよ。おそ
らく、出資者の坂槙正三はかつて奇怪な事故が起きたこの石油探鉱跡が欲しくて、
この土地を購入し、それを隠すために巨大な食品加工会社を建てたんだと思う。」

「…何の目的で?」
「推測なら立てられるが…全ての謎を知っているのは…例の茶封筒の送り主だ。
彼女はおそらく、この地下のどこかにいる筈だよ。彼女に会えば、全ての謎が解け
ると思う。」


 しばらく歩くと、森の中に岩がむき出しになった崖のような場所へと出た。
スタジャンの男は岩のくぼみ辺りの雑草をどかすと、人一人が通れるような小さな
穴が開いていた。

「これが昔の採掘跡の坑道だよ。この辺りにはこういう出入り口があちこちにある
んだ。」

 中華屋の親父が大きな懐中電灯を点け、暗い穴の中を照らす。
冷たくひんやりとした空気が中から吹き付けてくる。


「…例の男、まだ私らをつけてきているかしら?」
「来てる筈さ。気配はまったく感じられないけどね。」


 暗い森の中で、自分たちがやってきた方向を振り向きながら光は不安に思ってい
る事を口にする。依然として彼女がこの街に来てからずっと感じている頭痛のよう
なものが、収まるどころかむしろ強まっているように感じたからだ。

「大丈夫かしら?この穴の先には…連中のアジトがあるんでしょ?」
「まあ、あるだろうね。」

 随分あっさりと答えた博士に対して、珍しく不安げな表情の光は尚も気になって
いる事を口にする。

「…この先に侵入するのは危険じゃないかしら?」
「光さん、危険は承知のはずよ?だからこの三人で来たんじゃない?」

 秘書が得意気な顔をして言った。
それを見た光は少しだけ表情を和らげつつも、思っている事を口にした。

「ええ、それは承知しているわ。それでも、敵のアジトに自ら乗り込むというんだ
から、何かそれなりの防衛策でもあるんでしょう?」
「いや、無い。」

 あまりにも短絡的な博士の言葉に、光は足を滑らせそうになった。


「…というのは冗談で、三つの事からこの作戦を実行しようと思ったのさ。一つは
、この町の様子だよ。昼間あちこち動き回っていて気ずいたんだ。街にいた筈の
食品加工会社関連の人間が誰もいないってことさ。つまり、もうこの街に用が無く
なったんだろうね。連中のアジトも含めて。」

「撤収したって事ね?」
「そう、もちろん一部の連中や責任者はまだ残ってるだろうけど。二つ目は、我々
の後を付けている例の男は…もしかしたら目的は同じかも知れないって事だ。彼が
この街に戻ったのも、我々がこの街にやって来たのも目的が一緒なのかも知れない
ってね。」

「味方になってくれるかもってこと?」
「さあ、どうだろうね?彼がこちらの味方になれば、連中のアジトの情報は全て手
に入ると思ったのさ。そう願っているよ。」

 博士はにやりと笑い、暗い森の中を見回しながらそう答えた。
森は不気味なほど静まりかえっている。

「三つ目は?」

 最後の問いに答える前に、博士はポケットから四つ折りにたたまれた紙を取り出
し、皆の前に広げて見せた。それは昼間、街の資料館に不自然にも張られた真新し
い紙で、「丘へ向かえ!」とだけ書かれていたものである。

「ふむ、これが一番重要な部分だよ。そもそも我々がここに呼ばれた理由さ。茶封
筒の送り主が、他の誰でもなく我々を危険な目に遭わせてもこの地へと呼び出した
意味だよ。それが重要なんだ。だから我々はどうしても、茶封筒の送り主に会わな
くちゃならないんだと思う。でないと…何か取り返しのつかない事になってしまう
気がするんだ。これはあくまでも勘だがね。」


 その博士の言葉を聞いた光と秘書は、意味は良く分からないまでも、小さく頷き
かつての石油採掘跡の坑道へと入っていった。

 

 

 

 


 仮の捜査本部となったペンションのリビングルームでは、いまだに納得出来ずに
うろうろする涼子の姿があった。

 それもその筈、やっとの思いでこの街にたどり着いたにも関わらず、このペンシ
ョンに一日籠りっぱなしだからである。それに対して、利根川警部はリラックスし
た様子で須永理事長の淹れるコーヒーを待っていた。


「警部、よく落ち着いていられますね?私には彼らだけで工場へ向かったのは間違
いだと思うんですけどー」

 警部は毒ずく彼女の意見に小さく笑いながら、カップのコーヒーを口にした。


「熊さんの淹れるコーヒーより美味しいよ。」
「あら、刑事さんありがとう。」

 にこにこしながら須永理事長は、ベテラン刑事の肩に手を乗せて言った。
相変わらず強烈な香水の匂いがぷんぷんしているが、警部は少しも嫌な顔をせずに
コーヒーを飲み干す。男もいくらか歳を取ると、理事長のような多少馴れ馴れしい
振る舞いをする中年女性も悪くないなと思うものだ。

「警部、コーヒーの飲み過ぎは、前立腺の病気に良くないんですよ?」
「まあ!涼子ちゃん、あなた前立腺の病気なんですの!?」

 渋々とカップに口をつけていた涼子は、トンチンカンな理事長の言葉に勢いよく
コーヒーを吹き出す。傍にやってきた真理も声を出して笑っている。

「ちょ…!?あたし前立腺なんてありませんから!」
「まあ、涼子君、我々は彼らの報告をここで待とうじゃないか?そして今、我々が
出来る事をしよう。」

「出来る事…さっき警部が話してた南条智佳子さんの事ですか?」
「そう、その名前…私ね、どっかで聞いた事があるんだ。でも、思いだせない。」


 そういうと利根川は携帯を取り出し、どこかに通話を試みる。
この街に来てからどうも携帯の電波が繋がらないようで、連絡が取れない状況とな
っていた。


「おっ、繋がった。熊さん、私だ!」
『…警部!今までどこに!?連絡が取れなくて部長もお怒りですよ?今どこなん
です?』
「それは後だ、熊さん、調べてほしい人物がいる。頼めるか?」
『…ええ、それはまあ…誰ですか?』
「名前は、南条智佳子。歳は三十代前半だ。」
『分かりました、今すぐ照会してみます。少し待ってて下さい警部。』


 ようやく外と連絡が取れた事にほっとした利根川は一度携帯の通話を切ると、飲
みかけのコーヒーカップに口をつける。すると、飲み終えるのを待たずして利根川
の携帯が鳴った。

『…警部!分かりましたよ!彼女名前ですぐ照会できました。』
「すぐに照会できた?そうか…」


 警視庁のデータからすぐに照会できる人物といえば、重大な犯罪経歴があるか、
あるいはこの国にとって大物であるか、である。 


『…南条という名前に聞き覚えがありませんか?警部、我々ベテラン刑事なら誰で
もその名前は聞いたことがあると思いますがね?』
「ちょっとまて、熊さん。南条…南条って、あの南条家か!?」

『…そうです!あの南条家ですよ。南条智佳子はその現当主です。実は彼女、子供
の頃にわずかな期間だけ緑川町に住んでいた事があるようです。この一件に彼女も
関わりがあるって事ですかね?警部。』
「その可能性はあるな。熊さん、引き続き周辺の連中を調べてくれ、頼む。」

 

 

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 通話を切ると、すぐに涼子が警部の元へとやってきた。

「警部、南条家って何です?」
「君はまだ知らないだろうな、南条家は日本でも有数の古武術の名家でね。数年前
くらいまでは、我々警察も護身術を習うため南条家の連中から教わる機会を設けて
もらっていたんだ。」
古武術合気道みたいなものですか?」

 涼子がそう聞き返すと、警部は一度話をとぎり立ち上がる。
そして急に真面目な表情に変わり、部屋にいる全員に語り掛けるように話をはじめ
た。


「いつの頃から存在するのか知らないが、この国の背後で密かに存在していた隠密
集団のようなものがこの南条家の前身だ。かなり古い時代からこの集団は存在して
きたようだが、武術といえば聞こえはいいが、主に戦国時代から暗殺などの実戦に
用いる技術を磨き続けているようだな。」

「…柳生一族みたいなものですか?」
「まあ、そんな感じだ。」

 一番離れた場所から警部の話を聞いていた真理が言った。
まだ大学生だった頃、講師である光さん…間宮薫がよく話していたのを思い出す。
彼女は柳生十兵衛に酔心していたとかいないとか…


「それで警部、あのおかっぱの彼女が、その暗殺集団だかの当主なんですか?」
「そうだ。どういう経緯か知らないが…彼女はこの事件に深い関わりがあるよう
だな。恐らくあの探偵の話を信じるならば、例の石油採掘事件の子供たちの一人
だと思う。」


 涼子は昨晩、智佳子という女性があの恐ろしい軍服男を投げ飛ばした時の事を
思い出す。あれが偶然などではなく、武術的なものであるのだとしたら…

 あの、化物金髪おばさんの打撃すら効果のない軍服男を、さらりと投げ飛ばした
技を持つおかっぱの彼女が、現時点で味方である保証も無い。そもそも、私たちの
前から姿を消したという事は…彼女が敵側の人間だという証拠なのではないか?


 そして、今、彼女はどこで何をしているのかしら?
 

 

 

 

 

 

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 昔の石油採掘跡と思われる岩のトンネルを進むこと十数分…博士らはようやく
広い場所に出た。

 そこは天井の高い自然のホールになっており、中央には深く大きな穴が開いて
いる。おそらくここから石油を汲みあげていたと思われる。

 そして、かつてここは三人の作業員が白骨死体となって見つかったいわくつき
の場所でもある。


「…見て、穴の端に下への階段があるわ。」
「階段があるって事は、この下に何かがあるって事だね。」

 博士はそう言うと、穴の下まで続く階段を降りはじめた。
下へと向かうほどに、何か重苦しい気配が増してくるような気がする。

「お、おい、大丈夫かね?ここは昔、何かの事故が起きた場所なんだろ?」
「大丈夫さ。昔の事故はもう済んだことだ。問題はこの先だよ。」


 階段を降りる中華屋の親父が博士に言った。
その博士は長い階段を下まで降りると、目の前の人工的に作られたドアを指さし
て皆に話す。何かの制御盤のような機械が壁に見える。

 その巨大なドアは、今は半分ほど開け放たれていた。
人がいる気配はまるでない…。

 

「おそらく、ここで起きた事故というか出来事は、一つの発端だと思うんだ。
でも問題なのは、それ以前から続いていたのだと思う。」
「…それ以前から?それは一体いつの事なの?」

 光はここへ来る前、ペンションで良美に聞いた事を思い出しながら博士に
聞く。彼は、「過去に戻る旅になる」と言っていたという事を…。

 

 


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「少なくとも、紀元前…それよりもずっと前の時代まで遡る必要があると思う。」
「…紀元前ですって!?」

「早紀君、君は神楽山の山頂付近の崖を見た筈だ。あれに似たような形状の山を
どこかで見た事はないかね?」
「……あっ!もしかして、双子岳スキー場の…あの奇妙な形の崖…!?」

「そうだ。あれはかつて、遠い星からやってきた宇宙船が山の山頂にぶつかった
跡で、この神楽山の山頂も似たような跡がある。それはつまり…」
「…ここにも宇宙船が落ちた?」

「たぶんそういう事だろうね。きっと同時期に、かなりの数の宇宙船がこの地球
に飛来したのかもしれない。何かが起きて。それはー」
「……あっ!灰色の物体…。」

 秘書が驚きの声を上げ言うと、博士は無言で頷いた。

「しかも、この神楽山の大きく削られた跡を見ると、我々が双子岳で見た
円盤より遥かに巨大な物がぶつかったはず。桁外れに巨大な円盤だ。」

 

 と、それを聞いていたスタジャンの男は驚く、というよりは大喜びで博士に
質問する。

「おい、おい!やっぱり宇宙船がこの町に落ちたってのかい!?」
「うん、随分むかしの事だろうけど。間違いないよ。」


 数年前、あの双子岳で起きた出来事は、数万年前に飛来した宇宙船から始まっ
た。彼らの星を死の星に変えた「灰色の物体」といわれる生命体が、双子岳に落
ちた宇宙船に侵入していたのである。

 その恐るべき事件も、何とか博士らの機転により解決する事が出来たが、それ
と同じような出来事がここでも起きていたのかもしれない。


「…て、ことは博士。あの事件がここでも起きていたってこと!?」
「まあ、同じとはいわないが、何かの事件が起きたのは確かだね。そしてあの
智佳子という女性は、数年前この街で起きた事件を知る人物だろうと思う。」

「ちょ…と待って。ひょっとして…茶封筒が送られた人物って、その二つの事件
に関わる人間って事なのかしら?」
「その可能性は高いね。」

「でも…それなら、私に茶封筒が届いたのは、一体何のためなのかしら?私は、
そんな規模の大きな事件には関わってはいな……まさか!?」
「そのまさかだと思うよ。」

「…マテリアル!?」

 

 

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 過去に戻る旅になる…という博士の言葉はこういう事だったんだわ、と光は思
った。

 あの大学の結社に古くから伝わっていると言われた白い怪生物マテリアル…。
それを扱ってきた光…いや、間宮薫本人さえその生物がいつから存在しているのか?
一体何者であるのかさえ分からなかったのだ。


 (…ひょっとすると、その例の二つの事件と関わりがあるのかも…いえ、あるん
だわ…!でも、一体どんな…!?)


「ちょっ…ちょっと待って、それなら…その全ての事件が、私たち全ての人間が、
一つの事件で最初から繋がっていたって事になるの?」
「…そういう事だね。それどころか、まだ我々の知らないところで何か、誰か
の繋がりがあるかも知れないよ。」


 これまで、まったく不可解な「茶封筒」の謎が、少し解かりかけてきた。
しかしながら、その茶封筒を送り付けてきた送り主が何者で、そしてその目的も
いまだ分からないのだ。

 しかし、それもこの先へ向かえば、その送り主に会えれば、全て判明するのだろ
うか?

 

「…色々な過去の事件が繋がっていたのだとして…茶封筒の送り主は、この街まで
我々を来させる事が危険だというのは充分理解していたのだと思う。それをしてま
でも我々を集めたということは…」
「…もっと危険な何かが、この先、起こりえるということね?」


 光の言葉に博士は無言で小さく頷いた。
ここに集まった者たちは、この事件が起こる遥か昔から、この場所へとやって来る
運命だったのかも知れない。


(続く…)