ザ・怪奇ブログ

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H・P・ラヴクラフトについて…

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 1890年、米国ニューイングランドに生まれた怪奇作家ラヴクラフト
が生み出した数々の小説が、のちに「クトゥルフ神話」と呼ばれ世界中に
広まりました。

 

 生涯を故郷で過ごし、怪奇小説雑紙「ウィアード・テイルズ」の常連と
して次々と怪奇と幻想の世界を書き続けましたが、癌のために46歳で
この世を去りました。


 彼の作品がこれまでの怪奇小説と違う点は、この世ならざる異次元から
の脅威であることでした。それも人類以前、途方もない昔から存在してい
る邪神たち、「旧支配者」と呼ばれる恐ろしい存在です。


 その作品の中でも異彩を放つのが、この大いなるクトゥルフであります。
おそらく人生の中で一度は目にしたことがあるはずのこの存在。タコを
彷彿とさせる巨大な頭部。ルルイエの海底神殿で、復活の日を夢見て眠っ
ているのです。彼らが復活したそのとき、人類に未来はありません。

 

 さらに、彼の作品を後世に残した最大の功績が禁断の書物「ネクロノミ
コン」の存在です。

 

 狂えるアラブ人、アブドル・アルハズレドが著わしたという、死者の魂
を招く術について書かれた禁制本が作中に出てくるのです。

 そのアラブ人は、アラビア南部の大砂漠で一人きりで十年間を過ごし、
名もない都市の廃墟の地下で、人類以前の古い種族が書いた年代記を発見
した。晩年、彼は自分の知った秘密を著書にまとめたが、白昼大勢の人の
前で目に見えない怪物に食い殺されたそうです。

 

 と、いうような内容の事が書かれてあるのですが、作者であるラヴクラ
フトは「これは私が作り出した架空の物語だ」と繰り返し述べています。
ところが、彼の父親は有名なフリーメーソンのメンバーであったとかなん
とかで、実在する様々な禁制本を目にしていたのかもしれません。

 

 そのあまりにも強大な彼らの存在に近ずいた人類の恐怖を描く物語に、
多くの作家や映画監督が魅せられて、現在もこれらをモチーフにした作品
が数多く残っています。

 

  そういう意味では私も、ラヴクラフト信者の一人なのかもしれません。